Bowmodel 01
Bowmodel 01
ウィーン美術史美術館所蔵、16世紀イタリア製 (SAM74) 復元モデル
オリジナルの弓について
この弓 (SAM74)は、パドヴァ近郊のカタジョ城にあったもので、現在はエステ・コレクションとしてウィーン美術史美術館に所蔵されている。
オリジナルの竿部分は、何の木材が使われているかはっきりはわからないが、おそらくヨーロッパ産ではない広葉樹でつくられていると考えられている。(ペルナンブコの可能性が高い)
フロッグはいわゆるクリップイン・フロッグ(フロッグ部分が着脱可能な方式のこと)で、弓の竿部分と同じ材質で作られているとみられる。弓の長さはわずか501mmで、これはエステ・コレクションの中では最も短い。
弓の先端は槍型で緩やかな先細りになっている。
竿は弓の元部分が一番太く、そこから弓先に向かって不均一に細くなっていく。竿は全体的に横長の楕円形になっている。(横幅の方が縦幅より太い)
オリジナルの竿部分は、何の木材が使われているかはっきりはわからないが、おそらくヨーロッパ産ではない広葉樹でつくられていると考えられている。(ペルナンブコの可能性が高い)
フロッグはいわゆるクリップイン・フロッグ(フロッグ部分が着脱可能な方式のこと)で、弓の竿部分と同じ材質で作られているとみられる。弓の長さはわずか501mmで、これはエステ・コレクションの中では最も短い。
弓の先端は槍型で緩やかな先細りになっている。
竿は弓の元部分が一番太く、そこから弓先に向かって不均一に細くなっていく。竿は全体的に横長の楕円形になっている。(横幅の方が縦幅より太い)
研究課題
木材の種類
この弓のオリジナルは非ヨーロッパ産の木材でつくられていると考えられているが、この弓が作られた16世紀から17世紀にかけては、ヨーロッパ産の地元の木材も弓によく使われていた。そこで、この弓と同じモデルでヨーロッパ産の木材を使って、何種類かの弓を制作してみた。(木材の種類は、イチイ、カラマツ、プラム、黒檀、ウォールナット、チェリーなど)
それぞれの木の性質による、重さ、硬さ、弾力性の違いは、おそらく実際の数値の違い以上に、演奏時の感覚の違いとして顕著に表れるはずである。
私の研究は、弓の楽曲への適合性という観点からの木材の選択と、演奏技術や演奏者の感性に基づく弓の選択の最適性を考えることを目的としている。
着色の技術
さまざまな木材の特徴の違いの中で興味深いものの一つが、その「色」の違いである。
この時代に描かれた絵画には、様々な色で弓が描かれている。これらの色の違いは、おそらく元の木材そのものの色の違いだけではなく、染色、染料、木材を保護するための表面処理など、当時使用された技術にも関係していると推測する。
そこで、当時どのような技法が使われていたのかを研究し、実際にどのような色になるのか実践する。
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